核酸を固定化に用いた高感度バイオセンサーによる分子間相互作用解析・生物物理学的解析
二重特異性の相互作用解析や細胞表面での結合カイネティクスの直接解析など幅広いアプリケーション
応用例
●高感度な分子間相互作用解析
SPRなどの従来のバイオセンサーの約100分の1の固定化量で高感度測定
測定の難しい速い解離、遅い解離を精度よく検出
●二重特異性の相互作用解析
バイスペシフィック抗体、PROTACなどの異なるターゲットをもつ分子についてその協同的相互作用を正確に解析
●細胞表面での結合カイネティクスの直接解析
専用チップCellTRAPで非修飾でキャプチャーした細胞上の相互作用を直接解析
●核酸関連酵素反応速度論解析を簡便に実施
(ポリメラーゼ、リガーゼ、ヘリカーゼなどの酵素反応解析)
●粒子径測定と構造変化検出
蛋白質の粒子径を決定。構造変化の検出も可能(精度±0.1nm)
●96/384ウェルプレート使用可能
モジュール化により容易にハイスループット化が可能
heliX/heliX+は、電気的にスイッチングするDNAナノレバーを使用した“Switch SENSE”という新しい原理を採用した高感度の分子間相互作用/タンパク質物性解析装置です。既存のバイオセンサーの約100倍の感度を持ち、分子間相互作用解析のみならず高精度の粒子径測定やタンパク質構造変化の検出、タンパク質の熱安定性評価・化学安定性評価といった拡張されたアプリケーションと解析性能を持っています。またチップは何度も再利用が可能。チップ上のDNAナノレバーの数をコントロールすることにより、例えば抗原-抗体の1:1結合(affinity)と多価結合(Avidity)を区別して評価することが可能です。さらに核酸を用いたセンサーであることにより、ポリメラーゼやエンドヌクレアーゼといった核酸関連酵素の酵素カイネティクス解析を簡単に実施でき、ウイルス増殖の阻害剤評価にも威力を発揮します。さらに装置のモジュール化により、容易にハイスループット化も可能。創薬研究から生体分子の生物物理学的基礎研究まで幅広い研究に活用できます。
Switch SENSE測定原理
Switch SENSEとは、微小電極上に短いDNAを固定化し、電極に対して交互に正と負の電位をかけることで、DNAが電極に引き寄せられたり離されたりする現象を利用する高感度バイオセンサーです。この時、固定化したDNAの先端に蛍光標識を付けておくことで、DNAが電極に近づくと蛍光が消光し、離れると蛍光が生じる変化を光学的に測定することができます。外部電場に同期するDNAの立ち上がりと倒れこみの速度は、DNAに結合している分子のサイズ(体積)により変化します。<br><br>タンパク質やペプチドなどの分子をリガンド分子としてDNA先端に提示した状態で、アナライト分子をフローチャンネルに流すことで、リガンド分子とアナライト分子の相互作用に伴うスイッチング速度の変化を観測できます(Dynamic Mode)。一方で蛍光強度自体の変化を捉えることも可能です(Static Mode)。相互作用解析や粒子径測定など、幅広いタンパク質の物性評価を行うことができます。
[特長]
シリーズ | heliX | heliX+ |
---|---|---|
本体のサイズ (W)x(D)x(H)mm | 690×620×730 | 690×620×730 |
重さ | 85kg | 85kg |
同時測定シグナル数 | 2 | 4 |
解離定数 | 0.1 pM–1 mM | 50 fM–1 mM |
結合速度定数 | 10^3–10^7 M^-1S^-1 | 10^3–10^8 M^-1S^-1 |
解離速度定数 | 10^-6 –0.2 S^-1 | 10^-6 –30 S^-1 |
流体力学直径測定精度 | ±0.1nm | ±0.1 nm |
温度 | 25 ℃ or 37 ℃ | 15~40 ℃ |
昇温速度 | - | ~10 ℃/min |
ウェルプレート | 96 | 96/384 |