YKKとコーヒー

YKKグループといえば「ファスナー」や「アルミサッシ」のイメージが強いが、グループの「衣・食・住」の「食」の分野として「株式会社カフェ・ボンフィーノ」がある。同社はコーヒー部門を柱とした、ホテル部門、レストラン部門の3つの部門があり、ブラジルにあるYKK農牧社の農園で栽培しているコーヒー豆を直輸入し、「カフェ・ボンフィーノ」のブランド名で販売したり、グループ会社の取引先の方々へプレゼントとしてお渡ししている。

YKKは、1980年代より、コーヒー栽培に最適な土地ブラジル中央高原地帯セラードに3300万坪の農場を持ち、その中にコーヒー農園を所有。香り高い最高品質のコーヒー「カフェ・ボンフィーノ」は、ここから生まれる。

 

プロバットを選んだ理由

「チエロ エ マーレ」(旧店名は「カフェ・ボンフィーノ ピッツァ&パスタ」)は、YKKグループが経営するカジュアルイタリアンのレストラン。本格イタリアンを気軽に楽しめる店として2012年1月に東京両国にあるYKK R&Dセンター1階にオープンした。以前から使用していた国産焙煎機が老朽化し、焙煎容量も不足していたため、5kg窯のプロバット焙煎機への買い替えを決めた。

株式会社カフェ・ボンフィーノ代表取締役社長(インタビュー当時)の森澤 睦夫氏は焙煎機についてスタッフにあらゆる情報を調べてもらったとのこと。「とにかくプロバットのレトロなデザインと歴史に引き寄せられた。プロバット焙煎機でそれまで使い続けてきた国産焙煎機と同じ味が作れるかどうかを確認したかったので、DKSHジャパン(以下DKSH)から同型焙煎機を購入されたお客様の店で実際に焙煎テストをさせていただいた。結果は豆の味が以前もより良くなり、さらに深い味わいだった。スタッフにもテイスティングしてもらい、良い評価だったので、購入を決めた」とのこと。また、ムラのない焙煎仕上がりと作業時間の短縮につながる連続焙煎ができることも購入理由のひとつになったという。

焙煎機を購入する際の不安

森澤氏は「PROBATONE焙煎機自体には問題はないが、やはり焙煎の際に出る匂いが心配だった」という。「近隣にはホテルがあるし、近所の人にも迷惑をかけたくない。解決策として、匂いの大半を除去できる装置を設置したので、これで安心だ。」

また、「焙煎については素人だったので、最初は焙煎機の設定や焙煎方法などが分からず不安に感じていたが、DKSHに紹介していただいた焙煎士にさまざまなノウハウを教えていただくことができた。もちろん、焙煎しながら完璧なローストができるまでに温度などの微調整もしたが、焙煎士の方にはとても助けられた」と話す。現在は、週に4回、5種類(アメリカン、フレンチなど)のローストを5バッチほど焙煎している。

コーヒーが大好き!

プロバットの焙煎機を導入してから半年ほど経ったインタビューの日に、スタッフと一緒にアメリカンの焙煎をしながらコーヒー焙煎について熱心に語る森澤氏の姿が印象的だった。あらためてコーヒーに対する思いをお聞きしたところ、大きな笑顔で「コーヒーが大好き!」とのこと。当初、コーヒー焙煎作業をスタッフに任せるつもりだった森澤氏は、時には自ら作業に参加しているという。

2014年6月

 

チエロ エ マーレ (CIELO E MARE)

URL:  www.cafebonfino.com/shop/index.html